納税と財務基盤の強化

税金を払いたくないので、利益0でOKという考えを持っている方もいます。

必ずしもそれが悪いとは思いませんが、

利益をしっかりと出していかないと、会社に財産が積みあがらないので、

新しいことをやる際に、資金が無かったり、

お金を借りたいと思ったときに、

純資産が少なく財務体質がよくないと判断されて必要な資金を借りられなかったり、

などなど、会社を思うように成長させていけない可能性が出てきます。

 

そのため、必要な利益はどれだけあるのか、ということを最初に検討してみてください。

 

必要な利益を求めるために把握しておきたい数字

 

1.借入の返済金額

借入の返済の元金部分は経費にはなりません。

返済する分は利益を稼がなくてはいけなくなるので、返済金額を調べましょう。

 

2.減価償却費

減価償却費は経費になっていますが、お金は出ていっていません。

厳密にいうと、固定資産を取得した時に既に支払っているので、

償却時には経費にはなりますが、お金は減りません。

 

3.今後の取り組みで貯めておきたいお金。

新規事業などを行っていくために、お金を貯めたいということがあると思います。

そのお金は稼いだ利益から税金を払った後に残ったお金を使って投資することになります。

3年後の新規投資で300万円貯めたいので、毎期100万円貯めていきたい、

といった感じになります。

 

例えば、

1.借入返済額が年間100万円

2.減価償却費は毎期約60万円

3.新規事業の投資のため、100万円貯めておきたい

 

必要利益は、1-2+3 ÷(1-税率)で求められるので、

100万―60万+100=140万

140万÷(1-税率25%)=186.66万

 

税引き後で140万円の利益を残すには、

税引き前で186万円の利益をださなくてはいけないということになります。

 

利益が0では借入の返済と新規事業のための資金留保ができないということになります。

 

どの程度の利益が必要になるのか、がイマイチわからないという場合は、

必要利益を算出してから、現状の固定費と利益率だとどれだけの売上が必要になるのかなどを

考えていくと、経営計画も立てやすくなりますので、

スタート地点を決める目安として、必要利益を求めてみてください。