会社をつくるかどうかは良く考えてから

会社を設立することは比較的簡単にできます。

定款のひな形もインターネットで拾ってこれますし、

登記申請書類も法務局のサイトに行けば、ひな形があるので比較的簡単です。

書類作成自体にはそこまで価値がないのは確かかもしれません。

ただ、会社を作る必要があるのか、

会社設立によるメリット、デメリットなどを考慮して、

会社を設立するか、個人事業主からスタートして、上手くいったら会社設立にするか

このあたりについては専門家のアドバイスを聞いておいてもいいかもしれません。

 

会社設立のメリット、デメリットを下記に書き出してみます。

 

会社設立のメリット

・法人格を持つことができるので、社会的信用が高くなる

個人事業主の場合は屋号は持てますが、法人ではないので、対外的な信用力としては法人に劣る

法人でないと与信管理においてはじかれてしまうということもあるかもしれないので、

取引先がわかっている場合には法人格が必要か確認しておくことをお勧めします。

 

・株式会社や合同会社の場合は有限責任で済む

法人を設立する場合には、資本金を出資して会社の株主となります。

株主の責任は、出資額が限度となりますので、出資額が0円になるだけで、それ以上の責任は負いません。

代表者となり借入を行い、代表者保証を付けている場合は、個人での責任も負いますが、

無担保、無保証で法人が借入をしている場合には、

会社を倒産させても個人には責任が及びません。

個人に影響が出ないようにリスクヘッジできるようになっていますので、

借入を考えている場合には法人設立というのも1つの選択肢かもしれません。

 

・税率が一定

個人事業主の場合は、所得税のため、累進課税となり、儲けた額が多くなる分だけ税率が高くなります。

5%~45%の範囲で、利益の額によって税率が変わります。

国税だけでなく、市県民税も10%程度かかりますので、15%~55%程度の税金が取られることになります。

会社の場合には、法人税となるので、税率が一定(約30%)です。

どれだけ利益が大きくなっても税率は変わりません。

 

・決算期を自分で選ぶことができる

個人事業主は1月~12月の計算期間が決まっていますが、

会社は自分で何月決算にするかを選べます。

業務の繁忙期や利益の出やすい月などを考えて決算月を選ぶことが可能となり、

節税対策の時間や事務作業の分散をすることができます。

 

会社設立のデメリット

 

・簡単にやめられない

個人事業主の場合には、廃業届を出せばそれで事業をやめることができますが、

法人の場合は、会社の解散、清算手続き、または破産手続きが必要になるため、非常に手間がかかります。

1年ですぐにやめようとしても、その処理が面倒で、会社設立同じくらいの費用が掛かってしまう可能性があります。

 

・赤字でも税金が発生する。

個人事業主の場合は赤字であれば税金0円ですが、法人は赤字でも7万円は納税が必要になります。

 

・消費税の免税期間

個人事業主から始める場合、個人で始めた当初2年間は消費税が免税となり、

3期目に会社を設立すると、さらに法人として2年間消費税が免税となるため、

最大で4年間消費税がかかりません。

他の要素もあるので一概にはいえませんが、

消費税の期間だけで考えれば、個人からスタートした方が免税期間が長くなります。

 

・社会保険の加入が義務付けられている

会社の場合には社会保険の加入が義務付けられています。

1/2は会社負担となるため、従業員を雇う場合には、給料だけでなく、

給料の2割くらいの社会保険料を会社として負担することになるため、少し負担が重くなります。

 

・自由にお金を出し入れできない。

会社と個人は別の人格となるので、お財布も別々です。

自分1人の会社であっても、会社で稼いだお金を個人で使うことはできません。

個人事業主の場合には、会社とプライベートのお財布を分けて処理することが望ましいですが、

事業で稼いだお金をプライベートで使うために引き出すことは自由にできます。