会社を設立したいという話を頂きました。
合同会社にするか株式会社にするかの検討をすることが多くなってきました。
ざっくりというと、以下のような違いがあります。
1.会社設立に必要な金額
・株式会社
定款認証 5万円 〜9万円(電子定款の場合は印紙が不要、紙の場合は印紙4万円)
登録免許税 20万円
25万円〜29万円の費用がかかります。
・合同会社
定款認証が不要 0万円〜4万円
(電子定款の場合は印紙4万円も不要)
登録免許税 6万円
6万円〜10万円の費用がかかります。
設立費用は合同会社の方が安くなります。
2.ランニングコスト
・株式会社
役員の任期ごとに登記が必要
役員の任期、2年〜10年のスパンで登記申請が必要になります。
決算公告の義務がある。
・合同会社
役員の任期を設けなくていいので、業務執行社員の変更がなければ登記はいらなくなり。定期的に発生するコストはありません。
決算公告の義務なし。
合同会社の方が設立も運営も簡単になっています。
3.損益の分配
・株式会社
出資割合に応じて配当
・合同会社
出資割合に関係なく、定款で分配割合を決めることができる
合同会社の場合は、損益の分配についても自由度が高く、
出資割合に関係なく決めることができます。
例えば、
出資割合が 1:9でも、損益の分配は 5:5
とすることも可能です。
社員の中で話し合ってスタート時に決めることができます。
出資割合と損益の分配割合を変えたい場合は、合同会社がおすすめです。
4.信用力
どちらも会社法で認められた法人なのですが、
未だに合同会社よりは株式会社の方が信用力があると考える人もいるようで、
株式会社の方が対外的に動きやすいという話は聞きます。
個人を対象としたサービス、
お店の名前やブランド名をつけた商品を売る場合には合同会社でも問題ないのですが、
企業が取引相手となる場合は、
株式会社の方が信用力が高く評価されることもあり、株式会社にする方が多いです。
アマゾンジャパンも合同会社ですし、
アップルジャパンも合同会社なので、
合同会社だからダメということは基本ありません。
今後、徐々にこの信用力については関係なくなっていくかもしれません。
ビジネスの内容や相手が誰かによって、株式会社か合同会社かを決めるのも大事なことになります。
5.所有と経営の分離
株式会社を設立する場合でも、オーナー経営者になるのが中小企業はほとんどなので、
合同会社とあまり大きな違いを感じないのですが、
所有と経営が分離しています。
株式会社は、会社の所有者は株主、株主から経営を委任されて運営するのが役員
役員は株主の中から選ぶ必要はありません。
株主が最強のポジションなので、
共同で運営する場合は、持ち分をどうするのか、しっかりと決めておく必要があります。
合同会社は、出資者である社員が会社の所有者であり、経営を行うのも出資をしている社員が行います。
役員は出資者の中から選ぶことになり、重要な事項は基本的には社員全員の一致が求められます。
人的なつながりが強いのが合同会社の特徴です。
共同経営をしている時に、揉めると大変になる可能性があります。
泥沼化することもあるので、注意が必要です。
株式会社がいいか、合同会社がいいか、
設立、運営のコスト、出資と配当の割合などからどちらがいいか検討してみて下さい。
1人で設立する場合はいいですが、共同経営する場合は専門家も交えて、
その場合のリスクについても確認しておくといいかもしれません。