公認会計士の安川です。
会社を設立するのか、個人事業主がいいのか、
という話を最近起業相談でされました。
その時のポイントは
①どの程度の利益が出そうか
②創業時にどの程度の借入をするか
①どの程度の利益が出るか
法人と個人の大きな違いは、
法人は税率が一定
個人事業主は累進税率
という違いがあるからです。
法人は、
国、県、市に対して法人税を支払うことになるのですが、
だいたいすべて合わせて30%程度になります。
中小企業の場合で利益が800万円いかなければもう少し税率が低くなるので、
25%程度と思ってください。
個事業人主は、
国に支払う所得税は累進税率となり、
利益が大きくなるにつれて税率も5%~45%まで増えます。
住民税は10%となるので、国の税率+10%が税金負担となります。
国の税率は、所得(利益)が330万円を超えると20%となるので、
住民税を考慮すると全体で30%。
330万円の所得が出るかどうかが税率から見た場合の1つの分岐点になります。
法人の場合の税金的なデメリットは
法人は赤字でも均等割りという税金7万円程度を支払う必要があります。
個人は赤字の場合、税金は0円、支払う必要がありません。
利益が出そうな場合は法人、
まだ利益がでるかわからない場合は個人
でスタートするというのがやはりベースになります。
もう一つの視点は、②借入をするかどうか です。
法人を設立して無担保・無保証の融資を受けてスタートすると
個人と法人が別人格であるため、代表者保証がついていないのであれば、
借入のリスクについて個人が負担を負うことはありません。
会社をたためば個人で返済するという義務は負わないので、リスタートしやすくなります。
最悪の事態を避けることを考えておくことも1つの方法です。
個人事業主の場合は、
個人としてお金を借りるので、何があっても個人で返し続けることになります。
借入へのリスクヘッジをするかどうかという視点も持ってみてもいいかもしれません。